「持病があるから、住宅ローンは通らないと諦めていませんか?」
健康状態に不安がある方にとって、住宅ローンの「団信(団体信用生命保険)」の審査は最大の難関です。しかし、そこで諦めるのは早すぎます。実は、持病がある方向けに審査基準を緩和した「ワイド団信」という仕組みがあるからです。
高血圧、糖尿病、うつ病など、一般の団信では断られる病気でも、ワイド団信なら通る可能性があります。この記事では、金融機関の裏側を知り尽くしたプロが、審査に通るための具体的な基準と、承認率を高めるための「戦略的な銀行の選び方」を徹底解説します。マイホームの夢を、まだ手放さないでください。
目次
ワイド団信とは?一般団信との違いと「金利上乗せ」の仕組み
ワイド団信(加入条件緩和型団体信用生命保険)は、健康上の理由で一般の団信に入れない人のために作られた特別な保険です。まずは、普通の団信と何が違うのか、その仕組みを理解しましょう。
1.健康不安がある人向けの「緩和型」団体信用生命保険
住宅ローンを借りるには、原則として団信への加入が必須です。しかし、一般団信は健康な人を基準にしているため、持病や通院歴があると審査に落ちることがあります。
そこで登場するのがワイド団信です。保険会社が引き受けるリスクの基準を広げ(ワイドにし)、持病があっても加入できるように設計されています。高血圧や糖尿病だけでなく、うつ病などの精神疾患でも加入実績があります。
2.保障内容は一般団信と同じだが「特約」は付かないことが多い
「審査が緩い分、保障も薄いのでは?」と心配されることがありますが、基本的な保障内容は一般団信と同じです。死亡した時や高度障害状態になった時に、住宅ローンの残高がゼロになります。
ただし、一般団信によくある「がん保障」や「全疾病保障」といった手厚いオプション(特約)は付けられないことがほとんどです。あくまで「死亡・高度障害」という最低限かつ最も重要なリスクをカバーするものと考えてください。
3.コストは「金利+0.3%」が相場(+0.2%の銀行もあり)
ワイド団信を利用するには、追加のコストがかかります。保険料として別途お金を払うのではなく、住宅ローンの金利に「年0.3%」ほど上乗せされるのが一般的です。
例えば、変動金利0.5%のローンなら、ワイド団信を使うと0.8%になります。中には「+0.2%」で提供している銀行(ソニー銀行など)もあり、少しでも負担を減らしたい場合は銀行選びが重要になります。
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【病気別】ワイド団信の審査はどこまで通る?具体的な目安を解説
「自分の病気でも通るのか?」これが一番知りたいことでしょう。保険会社は明確な基準を公表していませんが、過去の承認事例からある程度の「目安」は見えています。代表的な病気について解説します。
1.糖尿病:HbA1cの数値と合併症の有無が運命の分かれ道
糖尿病の方で最も重視されるのは、血糖の状態を示す「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」の数値です。
一般的に、HbA1cが「7.0%〜7.5%未満」で安定していれば、審査に通る可能性が高いと言われています。逆に8.0%を超えていると厳しいでしょう。また、数値が良くても「糖尿病性腎症」などの合併症が出ている場合は、リスクが高いと判断され、お断りされるケースが多くなります。
2.うつ病・適応障害:現在の「就業状況」と治療期間が鍵
精神疾患の場合、数値での判断が難しいため、「日常生活や仕事に支障がないか」が最大のポイントになります。
具体的には、「休職せずに普通に働けている期間」が重要です。直近で休職歴がある場合は厳しいですが、数年間安定して勤務し、薬の量も増えていなければ、審査の土俵に乗ります。医師の診断書で「業務に支障なし」と書いてもらうことも有効なアピールになります。
3.高血圧:薬でコントロールされていれば通過率は高い
高血圧は、比較的審査に通りやすい病気の一つです。重要なのは「放置していないこと」です。
薬を飲んで血圧が正常値(上140未満、下90未満など)にコントロールされていれば、問題なく通ることが多いです。逆に、未治療で血圧が高いまま放置している方が、「いつ倒れるか分からない」とみなされ、審査に落ちるリスクが高まります。
4.がん(悪性新生物):治療終了からの経過年数による判断基準
がんの既往歴がある場合、完治してからの経過年数が問われます。
一般団信では「完治から5年」が目安ですが、ワイド団信ならそれより短い期間でも相談に乗ってもらえることがあります。特に初期の上皮内がんなどで、手術で完全に取り切れている場合は、経過期間が短くても加入できるケースがあります。諦めずに申告してみましょう。
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プロは「銀行名」で見ない!引受保険会社を分散させる併願戦略
ここが最も重要なポイントです。実は、団信の審査をしているのは銀行ではなく、銀行が提携している「生命保険会社」です。この仕組みを理解していないと、無駄な申し込みを繰り返すことになります。
1.銀行の背後にいる「引受保険会社(アンダーライター)」を知れ
あなたがA銀行に団信を申し込んでも、審査をするのはA銀行ではなく、背後にいる保険会社です。もしB銀行も同じ保険会社を使っていたら、A銀行で落ちた人は、B銀行でも100%落ちます。
つまり、「違う保険会社を使っている銀行」を選んで同時に申し込むことが、審査に通る確率を上げるプロの鉄則なのです。
2.【重要】主要銀行と引受保険会社のマトリクス表(クレディ・ライフネット・カーディフ)
主要な銀行がどの保険会社を使っているかを知っておきましょう。大きく分けて3つのグループがあります。
- グループ①(クレディ・アグリコル生命):ソニー銀行、SBI新生銀行、りそな銀行、多くの地方銀行など
- グループ②(ライフネット生命):auじぶん銀行
- グループ③(カーディフ生命):PayPay銀行
多くの銀行はグループ①を使っています。そのため、ソニー銀行で落ちたら、りそな銀行に出しても結果は同じになる可能性が高いのです。
3.同じ引受会社の銀行に複数出しても意味がない理由
前述の通り、引受保険会社が同じなら審査基準も同じです。「あっちの銀行なら通るかも」と手当たり次第に申し込んでも、保険会社が同じなら、あなたの病歴データは共有されています。
時間の無駄になるだけでなく、あちこちで「否決」の履歴が残ると、精神的にもダメージを受けます。「引受会社が違う銀行」をピンポイントで狙い撃ちしましょう。
4.ソニー銀行(+0.2%)とauじぶん銀行(別引受会社)の組み合わせが最強
おすすめの戦略は、以下の2つを同時に進めることです。
- 本命:ソニー銀行(金利上乗せが+0.2%と安い。保険会社はクレディ・アグリコル)
- 対抗:auじぶん銀行(保険会社はライフネット生命。独自の基準で審査してくれる可能性がある)
この2行に出せば、審査基準の違う2つのチャンスを得られます。さらに万全を期すなら、カーディフ生命を使うPayPay銀行も検討リストに入れましょう。
金利上乗せで総支払額が増えるなら、「仲介手数料」を節約してカバーしませんか?
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【シミュレーション】金利+0.3%と+0.2%で総返済額はいくら変わる?
「ワイド団信に通ったけど、金利が上がって支払いがきつい…」とならないよう、お金の計算もしておきましょう。0.1%の違いが意外と大きな差になります。
1.借入4,000万円・35年返済での差額シミュレーション
4,000万円を変動金利(ベース0.5%)で借りた場合で比較します。
- 一般団信(0.5%):総返済額 約4,360万円
- ワイド団信+0.2%(0.7%):総返済額 約4,510万円(差額+150万円)
- ワイド団信+0.3%(0.8%):総返済額 約4,590万円(差額+230万円)
ワイド団信を使うと、総額で150万〜230万円ほど支払いが増えます。月々にすると数千円ですが、35年積み重なると大きな金額です。
2.数百万円の差が出る!金利上乗せ分を「仲介手数料節約」で相殺する技
この増えてしまった200万円近い負担を、どうカバーするか。一番簡単なのが「購入時の仲介手数料を安くすること」です。
4,000万円の物件を買う時、普通の不動産会社だと約140万円の仲介手数料がかかります。これをイエツグのような「定額制(約18万円)」の会社に変えれば、約120万円が浮きます。これでワイド団信の金利上乗せ分の半分以上を帳消しにできるのです。
3.50代以上は要注意!年齢制限(50歳の壁)がある銀行も存在
最後に注意点です。ワイド団信には年齢制限があります。多くの銀行は「65歳未満」ですが、中には「50歳未満」でないと申し込めない銀行(みずほ銀行など)もあります。
50代の方が申し込む場合は、年齢制限が緩い銀行(ソニー銀行、auじぶん銀行など)を選ぶ必要があります。年齢で門前払いされないよう、商品概要書をよく確認しましょう。
イエツグなら仲介手数料は定額182,900円。
ワイド団信のコスト負担を、初期費用の削減で帳消しにできます。
もしワイド団信も落ちたら?諦めないための「最後の手段」
万が一、ワイド団信の審査に落ちてしまっても、まだ手はあります。即座に諦めず、次の方法を検討してください。
1.健康状態不問の「フラット35」+「引受基準緩和型生命保険」
公的ローンの「フラット35」は、団信への加入が任意(入らなくても借りられる)です。健康状態に関わらずローンを組めます。
ただし、無保険でローンを組むのは危険です。そこで、民間の保険会社が販売している「引受基準緩和型生命保険(持病があっても入りやすい保険)」に個人で加入し、万が一の時はその保険金でローンを返せるようにしておきましょう。
2.配偶者が健康なら「ペアローン」や「収入合算」でリスク分散
ご夫婦で共働きなら、健康な配偶者を「主債務者(メインの借主)」にしてローンを組む方法があります。
配偶者がメインになれば、団信は配偶者の健康状態で審査されます。あなたは「連帯保証人」や「連帯債務者(団信なし)」として収入を合算する形をとれば、希望額を借りられる可能性があります。
3.告知義務違反は絶対NG!正直に申告して「診断書」で補足せよ
一番やってはいけないのが、「バレないだろう」と病気を隠して申告すること(告知義務違反)です。もしバレたら、保険金が下りないばかりか、ローンの一括返済を求められることもあります。
正直に申告し、必要であれば医師に「経過は良好で就業に問題ない」という診断書を書いてもらい、補足資料として提出する方が、審査に通る確率は上がります。誠実さが何より大切です。
住宅ローンや団信に関する疑問は、FAQページでも詳しく解説しています。
正しい知識で、マイホームの夢を叶えましょう。
まとめ:病気=住宅購入不可ではない。戦略的な銀行選びで審査は通る
持病があるからといって、マイホームを諦める必要はありません。ワイド団信という強力な味方がいます。
- HbA1cの数値や就業状況が安定していれば、審査に通る可能性は十分ある。
- 銀行名ではなく、「引受保険会社」が違う銀行を組み合わせて申し込むのがプロの戦略。
- 金利上乗せ分のコストは、仲介手数料を節約してカバーする。
- もしダメでも、フラット35などの代替案がある。
大切なのは、手当たり次第に申し込んで傷を増やすのではなく、プロのアドバイスを受けて戦略的に動くことです。あなたの状況に合わせた最適なプランを一緒に考えましょう。夢のマイホームは、もうすぐそこです。
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持病をお持ちの方も、まずは一度ご相談ください。

















不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士