不動産の個人間売買は可能?メリット・デメリットと注意点をわかりやすく解説!

不動産取引は、不動産会社に仲介してもらって行うのが一般的です。とはいえ、不動産を個人間で売買することは違法ではありません。しかしながら、不動産の個人間売買はリスクが高く、あまり普及していないというのが事実です。

この記事でわかること
  • 不動産の個人間売買をするメリット
  • 不動産の個人間売買をするデメリット
  • 不動産を個人間売買するときの注意点

本記事では、上記3つのことをわかりやすく解説していきます。弊社イエツグは、不動産の個人間売買のサポートもさせていただいております。ぜひ参考にしてみてくださいね!

執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

不動産を個人間売買するメリット

まずは、個人間売買する上でのメリットを見ていきましょう。

メリット1.仲介手数料が不要

不動産の個人間売買をする上での一番のメリットは、仲介手数料が不要なことでしょう。

仲介手数料は、以下の速算式で求められる金額を上限としています。

仲介手数料の上限額の速算式
売買金額×3%+6万円(税別)

多くの不動産会社はこの上限額いっぱいいっぱいまで請求してくるものですので、仲介手数料が不要となれば、不動産売買にかかる費用負担は大きく軽減します。

2000万円の物件にかかる仲介手数料の上限:66万円(税別)

3000万円の物件にかかる仲介手数料の上限:96万円(税別)

5000万円の物件にかかる仲介手数料の上限:156万円(税別)

不動産会社に仲介してもらうとなると、上記金額が売主にも買主にもかかってくる可能性があるということです。ただ上記は、仲介手数料の“上限額”。弊社のように仲介手数料を定額としている会社を選択すれば、仲介手数料の負担を減らしながら“プロによる仲介”による大きな安心を得ることも可能です。

メリット2.親族間なら仲介業者を挟まない方がスムーズなことも

親子、兄弟、親戚などの間で不動産を売買することが決まっていれば、不動産会社による仲介業務の1つである“売主と買主をマッチングさせる”ことは不要となります。

不動産の親族間売買においても注意すべき点はありますが、この場合は仲介会社を挟まない方がスムーズに取引が進むこともあるでしょう。

不動産を個人間売買するデメリット

一方、不動産の個人間売買には、以下のようなデメリットがあることも認識しておかなければなりません。

デメリット1.手間がかかる

不動産会社を介さないということは、不動産会社が行っている業務も自分たちでおこなわなければならないということです。

買主探しだけではなく、契約書の作成や不動産登記など、専門的なことまで自分たちでおこなうことは一筋縄ではいきません。

デメリット2.リスクがある

不動産の売買契約書には、売買金額と契約日だけ記入すればいいわけではありません。売買後の売主の責任はどうするのか固定資産税の扱いはどうするのか契約が履行されなかった場合の取り扱いについてはどうするのか…といったことにまで言及しなければ、もしものときの“リスク”は回避できないといえるでしょう。

さらに、不動産会社を介した不動産取引時に交付される重要事項説明書については、“物件及び物件周辺のことを買主に伝える”という大切な役割があります。そもそも不動産売買において重要事項説明書が交付される理由は、「知らなかった」「こんなはずじゃなかった」といったトラブルを回避するためです。

しかし、重要事項の説明は、「宅地建物取引士」の有資格者しか行えないと法律で規定されています。重要事項説明は、個人間売買において不可欠な書類ではありませんが、交付されないことで売買後のリスクは確実に上がるといえます。

デメリット3.買主の住宅ローンが通りにくい

不動産の個人間売買は、買主の住宅ローン融資がおりにくいという大きなデメリットがあります。数千万円にも及ぶ不動産をキャッシュで購入できる人はなかなかいないため、「買主の住宅ローンが通らないから仲介会社を通す」という方もいらっしゃいます。

なぜ個人間売買では住宅ローンが通りにくいのかというと、金融機関は重要事項説明書の内容から不動産の担保価値を評価するため。重要事項説明書が交付されない個人間売買では、不動産の価値がまず担保しにくいということがあげられます。

さらに金融機関は、“不正”の可能性が少しでもある取引に融資はしません。不動産の個人間売買は、贈与税逃れや融資金の不正融資の可能性が高いとみられ、融資には慎重になってし

まうのです。

住宅ローンが降りなければ、買主の大きな税制優遇である「住宅ローン控除」はもちろん受けられません。

不動産の個人間売買をする上での注意点

不動産の個人間売買では、以下の点にとくに気を付けなければなりません。

  • 「贈与」とみなされないか
  • 売買後のトラブルに発展するリスクを回避する

このためには相場価格をしっかり把握し、専門的な知識を身につける必要があります。

相場価格をしっかり把握する

不動産取引は、売主が自由に値付けできます。しかし、たとえば市場価格3000万円の物件を1000万円で売却したとすれば、「買主に差額2000万円を贈与した」とみなされかねません。

不動産会社に仲介してもらえば価格設定についても助言してもらえますが、個人間売買となると、売主と買主が合意すればどんな価格でも取引自体は成立してしまいます。

しかし、相場価格からの乖離が大きいと買主に贈与税が課税されることがあるので、売主、買主、双方は相場価格についてしっかり把握しておく必要があるのです。

相場価格の把握方法としては、SUUMOやHOME’Sなどの不動産ポータルサイトで類似物件を見てみるのもいいですが、専門サイトで成約にいたった物件の平米単価を調べてみるといいでしょう。

マンション・戸建の相場把握なら、国土交通省指定の流通機構が運営する「レインズマーケットインフォメーション」。土地の相場把握なら、国土交通省が運営する「土地総合情報システム」というサイトが便利です。

専門的な知識を身につける

不動産取引で一番怖いことは、売買後のトラブルです。

たとえば、売買後の物件に雨漏りやシロアリ被害が発覚した場合、契約書に記載されている内容次第で、修繕の負担は売主にも買主にもなりえます。

また、売買前に売主が認識している物件の欠陥や、購入にあたってマイナスの要因になりうることを買主に告げていない場合には、売買後、買主から売主に対する損害賠償請求が認められることもあるのです。

「契約」の前に専門的な知識を身につけるのは、自己防衛のためでもあります。個人間売買では、不動産売買の公平性や考えられるリスクを専門的な視点から見てくれる人はいません。全ての責任は自分たちが負うものと認識し、最低限の専門的な知識を身につける必要があるでしょう。

部分的に専門家に介在してもらうことも◎

不動産の個人間売買におけるメリットは、「仲介手数料の節約」が主なことです。

しかしながら、売買後にトラブルに発展してしまったり、買主の住宅ローンが通らないことで売買が成立しなかったりするリスクを考えれば、節約できた費用以上の金銭的負担がのしかかることもあります。

そのため、不安に思うことや融資を受けるために必要な部分だけでも、専門家の力を借りることも考えてみましょう。

具体的には、「売買契約書の作成」「融資サポート」を専門家に依頼するだけでも、個人間売買のリスクは大きく下がります。

弊社イエツグでは、以下の2つのプランによって個人間売買をサポートさせていただいておりますので、ぜひご活用ください。

プラン名 フルサポートプラン セレクトプラン
内容 売買契約からお引渡しまでフルサポート 売買契約書作成と融資サポート
金額 18万2900円(税別) 5万円(税別)

また、不動産登記には司法書士、トラブルを未然に防ぐためには弁護士などの力を借りることで、不動産の個人間売買のリスクを下げることができます。

まとめ:不動産の個人間売買は可能ですが、慎重に進めるようにしましょう

不動産の個人間売買は、可能です。しかし専門家を介さない不動産取引は、売買後のトラブルに発展する可能性が高い点は否めません。

売主・買主が必要な知識を身につけるだけではなく、必要に応じて専門家の力も借りながら慎重に個人売買を進めていくことをおすすめします。

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。 イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。
監修者 亀梨奈美
監修者 亀梨奈美大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。株式会社real wave代表取締役。「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、機関紙から情報サイトまで不動産ジャンルのあらゆる文章を執筆・監修。

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