認知症親の実家売却【2026年版】3000万円控除の「3年期限」と成年後見の損得判断

「施設に入った親の通帳残高が減ってきた。実家を売って費用に充てたいけれど、認知症だから無理なのでは?」
「2023年に施設に入所した親の家、2026年中に売らないと税金が高くなると聞いたけれど本当?」

団塊の世代が75歳以上となる2026年現在、このような切実な悩みを抱える方が急増しています。実は、認知症の親御様の実家売却には「意思能力の壁」と「税制優遇の期限」という2つの大きなハードルがあり、判断を誤ると数百万円単位で資産を失うリスクがあります。

この記事では、不動産売買のプロフェッショナルであるイエツグが、2026年の最新法制度に基づき、成年後見制度の利用判断から税金対策までを徹底解説します。法的リスクを回避し、大切な資産を守るための最適解を一緒に見つけましょう。

目次

2026年現在、認知症の親の家は「家族代理」では売却できません

「家族なんだから、親の代わりに売ってもいいだろう」と考える方は少なくありません。しかし、2026年の不動産実務において、認知症の親御様の不動産を家族の判断だけで売却することは法的に不可能です。

  1. 「委任状」は無効となる
  2. 司法書士のチェックが厳格化している
  3. 唯一の方法は「成年後見制度」のみ

それぞれ解説していきます。

1.「委任状があれば大丈夫」は大きな誤解!意思能力がない契約は無効

不動産売買において最も重要なのは、売主本人の「売る意思」と「契約内容の理解」です。これを意思能力と呼びます。

重度の認知症により意思能力がないと判断された場合、たとえ実印を押した委任状があったとしても、その契約は法的に無効です。「無効」とは、取り消すまでもなく最初から効力がない状態を指します。

無理に進めれば、後日契約が無効となり、買主から損害賠償を請求される恐れもあります。

2.司法書士による意思確認の厳格化(2026年のコンプライアンス事情)

不動産取引の決済時には、必ず司法書士が売主本人と面談し、意思確認を行います。

  • 「今日の日付は?」
  • 「この家をいくらで売るか分かりますか?」

2026年現在、コンプライアンスの強化により、この確認は非常に厳格です。司法書士が「意思能力なし」と判断すれば、その場で取引は中止されます。

「少しボケている程度だからバレないだろう」という甘い考えは通用せず、直前での取引停止は多額の違約金リスクを招きます。

3.唯一の合法的な売却手段「成年後見制度」とは

親御様の意思能力が失われている場合、合法的に実家を売却する唯一の手段は成年後見制度です。

家庭裁判所に申し立てを行い、選任された「成年後見人」が本人に代わって契約を結びます。さらに、自宅(居住用不動産)を売却する際には、後見人の権限だけでなく家庭裁判所の許可も必要です。

非常に手間と時間がかかる手続きですが、これ以外の近道は存在しません。

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タイムリミット迫る!税金が約600万円変わる「3年ルール」の罠

実家売却を急ぐべき最大の理由は、税金の特例期限です。マイホームを売却した際の利益から3,000万円を控除できる特例には、「住まなくなってから3年目の年末まで」という厳格な期限があります。

  1. 3年目の年末の計算方法
  2. 2026年末が期限となるケース
  3. 期限切れによる増税リスク

それぞれ解説していきます。

1.【重要】親が施設に入ってから「3年目の年末」はいつですか?

「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を使うための期限は、以下のように計算します。

転居(施設入所)した日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで

この日までに売却(引き渡し)を完了しなければなりません。1日でも過ぎれば特例は使えず、税額が跳ね上がります。

2.「2023年に入所」なら2026年12月31日が3,000万円控除のデッドライン

具体例で見てみましょう。もし親御様が2023年(令和5年)4月に老人ホームへ入所し、住民票を移していた場合。

  • 3年経過する日:2026年4月
  • その年の年末:2026年12月31日

つまり、2026年中に売却を完了させなければなりません。成年後見の手続きに半年かかるとすれば、春頃には動き出さないと間に合わない計算になります。

3.期限を過ぎると特例が消滅し、数百万円単位で増税になるリスク

もしこの特例が使えないとどうなるでしょうか。

例えば、購入費が不明な実家を4,000万円で売却した場合、特例なしでは約780万円もの譲渡所得税がかかります。一方、特例を使えば税金は約180万円で済みます。

その差は約600万円。期限を逃すだけで、これだけの資産が失われる可能性があります。

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成年後見制度で売るべきか?相続まで待つべきか?損益分岐点をシミュレーション

「税金が安くなるなら今すぐ売ろう」と即決するのは危険です。成年後見制度にはランニングコストがかかるため、トータルで損得を判断する必要があります。

  1. コスト比較シミュレーション
  2. 預貯金による許可の壁
  3. 生前売却と死後売却の比較

それぞれ解説していきます。

1.コスト比較:後見人のランニングコストvs将来の相続税・譲渡税

成年後見制度を利用すると、専門職後見人(司法書士や弁護士)への報酬が発生します。目安は月額3万〜5万円程度です。

親御様がその後10年間存命された場合、報酬総額は360万〜600万円になります。先ほどの節税額(約600万円)と相殺されるレベルです。

「節税のために後見人をつけたが、報酬倒れになった」という事態を避けるため、余命予測も含めたシビアな計算が求められます。

2.「親の預貯金」が十分あると、裁判所が売却を許可しない可能性がある

家庭裁判所は「本人の利益」を最優先します。もし親御様に十分な預貯金(例:2,000万円以上など)があり、施設費用を賄える場合、裁判所は「売却の必要性がない」と判断し、許可を出さない可能性があります。

「空き家の管理が大変だから」等の理由は認められにくいのが現実です。許可が下りなければ、後見人費用だけがかかり続けることになります。

3.【比較表】生前売却(成年後見)と死後売却(相続・空き家特例)のメリット・デメリット

項目生前売却(成年後見利用)死後売却(相続・空き家特例)
メリット即現金化でき、施設費用に充てられる後見費用がかからず、手続きが比較的簡易
デメリット後見申立ての手間と費用がかかる裁判所の許可が必要建物が古い(昭和56年以前)等の要件あり相続税がかかる場合がある
3000万円控除入所後3年目の年末まで相続開始後3年目の年末まで(特例法期限は2027年末)

2026年時点では、死後に使える「空き家特例」の適用期限(2027年12月31日)も迫っています。どちらの道を選ぶにせよ、時間的猶予はありません。

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2026年の実家売却を成功させるための実務スケジュールと市場対策

方針が決まったら、即座に行動開始です。2026年は法改正の影響もあり、これまで以上に準備に時間がかかります。

  1. 手続きにかかる期間
  2. 住所変更登記義務化の影響
  3. 築古物件の販売戦略

それぞれ解説していきます。

1.成年後見申立てから決済までは「最低半年」かかるため春には行動開始が必要

成年後見制度を利用した売却には、長い時間がかかります。

  • 後見開始の申立て〜選任:約2〜4ヶ月
  • 売買契約の締結(買主探し):約1〜3ヶ月
  • 家庭裁判所の売却許可申立て〜審判:約1ヶ月

順調にいっても半年程度は必要です。2026年末の税制期限に間に合わせるなら、遅くとも春には司法書士への相談を開始すべきです。

2.2026年4月施行「住所変更登記義務化」による書類負担の増加

2026年4月からは、不動産登記法改正により住所変更登記が義務化されます。

親御様の住所が施設に移っている場合、売却時には登記簿上の住所(実家)から現住所(施設)への変更履歴を証明する必要があります。何度も転居している場合は戸籍の附票などを遡って集める必要があり、書類作成の手間が増加します。

義務化により、これまで曖昧だった手続きが必須となるため、司法書士との連携が不可欠です。

3.省エネ基準の厳格化で「築古の実家」が売れにくい時代の売却戦略

近年、省エネ基準への適合が厳格化されており、断熱性能の低い築古住宅は市場で敬遠される傾向にあります。

そのため、「古家付き土地」として売るか、解体して「更地」にするかの判断が重要です。ただし、成年後見人がついている場合、解体費用を親御様の財産から出すには合理的な理由が必要です。

まずはインスペクション(建物状況調査)を行い、建物のコンディションを客観的に把握することから始めましょう。

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認知症の親の家売却に関するよくある質問(Q&A)

最後に、よく寄せられる疑問にお答えします。

Q.認知症がまだ軽度なのですが、それでも後見人は必要ですか?

「軽度」の程度によります。司法書士との面談で、ご自身の氏名、売却する物件、売却金額、売却することの意味を理解・回答できれば、後見人なしで契約可能です。まずは司法書士に面談を依頼し、意思能力の有無を判定してもらうことをお勧めします。

Q.実家の権利証(登記済証)が見当たらない場合でも売却できますか?

可能です。権利証の代わりに、司法書士による「本人確認情報」という書類を作成することで売却できます。ただし、別途費用(数万〜10万円程度)がかかる場合があるため、事前に確認が必要です。

Q.売却ではなく、リバースモーゲージで資金調達することは可能ですか?

原則として難しいとお考えください。リバースモーゲージも「契約行為」であるため、意思能力が必要です。意思能力がない場合は成年後見人が代理することになりますが、裁判所は「不動産を担保に借金をする行為」に対して許可を出すことに極めて消極的です。

Q.家の中に荷物が大量に残っていますが、片付けないと売れませんか?

「現況渡し(荷物そのままで売却)」も可能ですが、処分費用の分だけ売却価格は安くなります。一般的には、売主側で撤去した方が高く売れやすいです。また、成年後見人がついている場合、財産処分の一環として業者に依頼することも可能です。

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まとめ:まずは「親の入所日」と「預貯金」の確認から始めよう

2026年における認知症の親御様の実家売却について解説しました。重要なポイントは以下の3点です。

  1. 認知症で意思能力がない場合、成年後見制度が唯一の売却手段である。
  2. 3,000万円控除を使うなら、施設入所から3年目の年末がタイムリミット。
  3. 後見費用と節税メリットを比較し、生前売却か死後売却かを冷静に判断する。

まずは、親御様が「いつ施設に入ったか(住民票を移したか)」と「現在の預貯金額」を確認してください。それさえ分かれば、今動くべきかどうかの判断が可能です。

イエツグでは、不動産売却だけでなく、顧問税理士や司法書士と連携したワンストップサポートを提供しています。複雑な権利関係や税金の悩みも、まとめて解決いたします。

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