「実家を相続したけれど、登記費用を節約するために自分で手続きしたい」
「司法書士に頼むと10万円近くかかると聞いた。何とか自分でできないか」
親族が亡くなり、悲しみに暮れる間もなくやってくるのが相続手続きです。中でも不動産の名義変更(相続登記)は専門用語が多く、ハードルが高く感じられるでしょう。しかし、条件さえ整えば、専門家に頼らず自分で完了させることは十分に可能です。
この記事では、2025年時点での最新の法改正情報を踏まえ、相続登記を自分で進めるための手順を5つのステップで完全解説します。費用を抑えつつ、将来の売却まで見据えた賢い選択をするために、ぜひ最後までお役立てください。
目次
【2025年最新】相続登記の義務化とは?期限と罰則を正しく理解しよう
長年、相続登記は「任意」の手続きでした。しかし、所有者不明土地問題の解消を目的として、法律が大きく変わっています。「いつかやればいい」と放置していると、思わぬペナルティを受ける可能性があるため注意が必要です。
ここでは、必ず知っておくべき義務化のルールと期限について解説します。
1.2024年4月からスタートした義務化のルールと遡及適用
2024年(令和6年)4月1日から、相続登記がついに義務化されました。この改正で最も注意すべき点は、「施行日より前に発生していた相続」にも遡って適用される(遡及適用)ということです。
つまり、「親が亡くなったのは5年前だから関係ない」という言い訳は通用しません。過去に相続して、まだ名義変更を済ませていない不動産がある場合、それらすべてが義務化の対象となります。タンスの奥に眠っている権利証がないか、今すぐ確認する必要があります。
2.「3年以内」の期限はいつからカウントされるのか
登記申請には明確な期限が設けられました。原則として、「相続の開始および所有権を取得したことを知った日から3年以内」に申請しなければなりません。
ただし、法改正前から放置されていた過去の相続物件については、「2024年4月1日から3年以内(つまり2027年3月31日まで)」の猶予期間が設けられています。期限ギリギリになると法務局が混雑し、書類取得にも時間がかかるため、余裕を持って行動することが大切です。
3.正当な理由なく放置すると最大10万円の過料リスクも
期限内に登記申請を行わなかった場合、どうなるのでしょうか。正当な理由がないにもかかわらず放置し続けると、「10万円以下の過料」という金銭的な罰則が科される可能性があります。
「正当な理由」とは、相続人が極めて多数で戸籍収集が困難な場合や、遺言の有効性を巡って争っている場合などに限られます。「忙しかった」「忘れていた」という理由は認められません。無駄な出費を防ぐためにも、早めの手続きが鉄則です。
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司法書士に頼む?自分でやる?難易度判断チェックリスト
相続登記は、誰でも簡単にできるわけではありません。ケースによっては、プロに任せた方が結果的に安く済む(時間と労力を考慮して)こともあります。
ご自身の状況が「自分でできるレベル」なのか、まずは以下の基準で判断してみましょう。
1.自分で手続きできる可能性が高い「シンプル」なケース
以下の条件に当てはまる場合は、自分で手続きできる可能性が高いです。
- 遺言書がある(手続きが非常にスムーズ)
- 法定相続分どおりに分ける(話し合いが不要)
- 遺産分割協議がまとまっている(揉めていない)
- 相続人が配偶者と子のみ(戸籍収集が楽)
- 対象不動産が自宅のみ(権利関係が単純)
平日に役所や法務局へ行く時間が取れる方で、パソコンでの書類作成に抵抗がなければ、チャレンジする価値は十分にあります。
2.専門家に依頼すべき「複雑」なケース(数次相続など)
一方で、以下の場合は司法書士への依頼を強く推奨します。
- 数次相続が発生している(祖父の登記をしないまま父も亡くなった等)
- 相続人に行方不明者や認知症の人がいる
- 兄弟姉妹が相続人で人数が多い
- 不動産の権利関係が複雑(他人の土地に建っている等)
特に数次相続は、集める戸籍の量が膨大になり、一般の方が自力で行うには限界があります。無理をせずプロに頼むのが賢明です。
3.【費用比較】自分でやる場合の実費vs司法書士報酬の相場
自分でやる最大のメリットは費用の節約です。自分で手続きする場合にかかるのは、「登録免許税(固定資産評価額の0.4%)」と「書類取得費(数千円〜)」の実費のみです。
一方、司法書士に依頼する場合、上記の実費に加え、6万円〜10万円程度の報酬が発生します。この「数万円の差」と「平日動く手間・学習コスト」を天秤にかけ、どちらが自分にとって得かを判断してください。
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【完全マニュアル】相続登記を自分でやるための5つのステップ
「自分でやる」と決めた方のために、具体的な手順を5つのステップで解説します。この流れに沿って一つずつクリアしていけば、ゴールは確実に近づきます。
1.【準備】物件調査:登記事項証明書と名寄帳で漏れなく把握する
まずは「何を相続するのか」を正確に把握します。固定資産税の納税通知書を見て法務局で「登記事項証明書(登記簿謄本)」を取得しましょう。
ここで重要なのが、市町村役場で「名寄帳(なよせちょう)」も取得することです。自宅前の私道(共有持分)や、非課税の道路などは納税通知書に載っていないことがあります。これらも漏れなく登記しないと、将来売却する際に「私道の名義が亡くなった親のままで売れない」というトラブルに発展します。
2.【収集】戸籍謄本集め:被相続人の「出生から死亡まで」が最難関
相続登記の最大の難関がここです。亡くなった方(被相続人)の「生まれてから亡くなるまでの連続した全ての戸籍謄本」を集める必要があります。
転籍や結婚、法律の改正などで戸籍は何度も作り変えられています。現在の戸籍だけでなく、「除籍謄本」や「改製原戸籍」をすべて遡らなければなりません。本籍地が遠方の場合は郵送請求が必要になり、すべて揃えるのに1ヶ月以上かかることも珍しくありません。「広域交付制度」を利用すれば最寄りの役所で取得できる場合もあるので確認してみましょう。
3.【作成】遺産分割協議書:全員の実印と印鑑証明書を揃えるコツ
誰がどの不動産を相続するか話し合いが決まったら、「遺産分割協議書」を作成します。決まった書式はありませんが、以下の内容は必須です。
- 被相続人の表示(氏名、死亡日など)
- 不動産の表示(登記簿通りに正確に記載)
- 誰が取得するか
- 日付、相続人全員の署名と実印
この書類には相続人全員の「印鑑証明書」を添付する必要があります。書類不備でやり直しになると全員にもう一度ハンコをもらいに行かなければならないため、慎重に作成してください。
4.【作成】登記申請書:法務局の様式を使った正しい書き方と免税措置
法務局のホームページから「登記申請書」の様式をダウンロードし、必要事項を記入します。手書きでもパソコン作成でも構いません。
記載内容で特に注意が必要なのは「課税価格」と「登録免許税」の計算です。1,000円未満の切り捨てルールなど細かい規定があります。また、土地の相続登記については免税措置が適用されるケース(評価額100万円以下の土地など)もあるため、無駄な税金を払わないよう事前によく調べましょう。
5.【申請】登録免許税(収入印紙)を納めて管轄の法務局へ提出
書類が揃ったら、管轄の法務局へ提出します。申請方法は「窓口持参」か「郵送」が一般的です。計算した登録免許税の金額分の「収入印紙」を購入し、台紙に貼って納めます。
提出後、1〜2週間程度で登記が完了します。不備があった場合は法務局から電話がかかってくるので、訂正印を持って修正に行かなければなりません。無事に完了すれば「登記識別情報通知(いわゆる権利証)」が発行され、ミッション完了です。
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申請前に要チェック!自分でやる人が陥りやすい3つの落とし穴
初めての相続登記では、思わぬミスで申請が通らず、心が折れてしまうこともあります。よくある失敗事例を事前に知って、回避しましょう。
1.古い戸籍(改製原戸籍)の取り忘れで申請が通らない
最も多いミスが戸籍の不足です。「亡くなった時の戸籍」だけでは相続人を確定できません。出生まで遡る過程で、読み解くのが難しい手書きの古い戸籍(改製原戸籍)が出てきます。
ここに「認知した子」や「養子」が載っている可能性があるため、法務局は厳密にチェックします。一つでも欠けていると申請は受理されないため、役所の窓口で「相続登記に使うので、出生から死亡まで全て揃えてください」と明確に伝えることが重要です。
2.登記簿上の住所と死亡時の住所が繋がらない(住民票除票の保存期間)
登記簿に記載されている住所(昔住んでいた場所)と、亡くなった時の住所(最後の住所)が異なる場合、その繋がりを証明する「住民票の除票」や「戸籍の附票」が必要です。
しかし、自治体によっては保存期間が過ぎて書類が廃棄されていることがあります。この場合、「不在籍証明書」や「不在住証明書」などの代替書類に加え、上申書を作成しなければならないケースもあり、一気に難易度が上がります。
3.登録免許税の計算ミスや書類の不備で何度も法務局へ行く羽目に
登録免許税の計算は「課税価格の1,000円未満切り捨て」×「0.4%」=「算出額の100円未満切り捨て」というルールがあります。これを間違えて収入印紙を少なく貼ってしまうと、不足分を追加で納める手間が発生します。
また、申請書と添付書類の綴じ方(契印の位置など)にも作法があります。平日に何度も法務局へ通うことになり、「これなら最初から頼めばよかった」と後悔しないよう、事前の確認は入念に行いましょう。
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「登記して終わり」ではない!将来の売却を見据えた賢い相続戦略
無事に登記ができれば一安心ですが、もし将来その不動産を売却する予定があるなら、登記の方法によっては数百万円の損をする可能性があります。登記はあくまでスタート地点です。
1.とりあえずの「共有名義」は危険!売却時のトラブルと解消の難しさ
「とりあえず兄弟みんなの共有名義にしておこう」というのは、最も危険な選択です。共有名義の不動産を売却するには、共有者全員の同意と実印が必要になります。
将来、誰か一人が「売りたくない」と言い出したり、認知症になったりすると、事実上の「塩漬け物件」となります。売却を視野に入れているなら、代表者一人の単独名義にするか、売却前提の手続きを進めるべきです。
2.「換価分割」で売るなら譲渡所得税の特例(取得費加算)を意識せよ
不動産を売ってお金で分ける「換価分割」を行う場合、売却で得た利益には譲渡所得税がかかります。この時、相続登記にかかった費用の一部を経費として認められる「取得費加算の特例」という制度があります。
この特例を使うには、「相続開始から3年10ヶ月以内」に売却する必要があります。登記に時間をかけすぎると、この期限を逃して節税のチャンスを失ってしまうため、スピード感が重要です。
3.相続物件を高く売るなら「仲介手数料定額」&「確定申告代行無料」のイエツグへ
相続した不動産を売却すると、翌年に確定申告が必要になります。不慣れな申告手続きは大きな負担ですが、税理士に頼むとさらに費用がかかります。
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まとめ:相続登記はゴールではなくスタート。資産価値を守る選択を
相続登記を自分で行うことは、費用削減になるだけでなく、親族の歴史を知る良い機会にもなります。2025年現在は義務化も始まっており、放置するリスクは高まる一方です。
しかし、登記はあくまで不動産管理の第一歩です。その大切な資産をどう活用し、守っていくか。もし売却をお考えなら、トータルコストを抑えられるイエツグへぜひご相談ください。
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不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士