印紙税は不動産売買にかかるその他の諸費用や税金と比べて少額だけど、数万円に及ぶ税金。なんのために支払うのか、いくらかかるのか、しっかり把握しておこう!
執筆者 丹拓也

目次
収入印紙は税金

収入印紙は税金だから、納税の義務があるんだね。ここからは具体的にいくらかかるのかを解説していくよ!
不動産売買契約書に貼る収入印紙の金額

印紙を貼る書類について

収入印紙代の軽減措置は令和9年3月31日まで
平成26年4月1日から令和9年(2027年)3月31日までに作成される、記載金額10万円超の不動産譲渡契約書には軽減税率が適用されます。| 契約書の記載金額 | 軽減後の印紙税額 |
|---|---|
| 100万円超〜500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超〜1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超〜5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 3万円 |
| 1億円超〜5億円以下 | 6万円 |
出典:国税庁「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」(2026年7月12日確認)
印紙金額についてはわかったけど、不動産売買契約書に貼る印紙は誰が負担するものなんだろう?
誰が負担する?不動産売買契約書に貼る収入印紙の注意点

印紙税の納税義務と実際の費用負担は分けて考える
印紙税の支払い義務者は、契約書を作成した人(または法人)です。 会社など大人数での飲み会の場合、居酒屋の領収書に印紙が貼ってあることがありますよね。飲み会代の領収書を作成するのは居酒屋ですので、居酒屋側が印紙税を支払う義務者となります。 不動産売買契約書を売主と買主が共同で作成する場合、印紙税法上は双方が納税義務者となります。一方、印紙代を実際に誰が負担するかは当事者間で決められます。原本を2通作成して各自が保管する取引では、それぞれが保管する契約書の印紙代を負担する方法が一般的ですが、契約条件を確認してください。契約書の原本1通ごとに収入印紙を貼る必要がある
作成する契約書が1通のみであれば、貼る印紙も1枚で大丈夫です。 ただ、契約書が1通しかない場合、のちに問題になった際に原本を持っていない側が非常に不利になります。そのためお互いが不利益を受けたいために、契約書の原本は2通作成するのが一般的です。 ただし、印紙は契約書として有効な書類にはすべてに貼る必要がありますので、契約書を2通作成すれば、2通ともに印紙を貼付しなければなりません。収入印紙は税金だから、納税の義務があるといったよね。義務を怠った場合には罰則があるから注意が必要だよ。
収入印紙を貼らなかった場合の罰則について


印紙税未納の場合で税務調査を受けて発覚した場合
税務調査により印紙税の未納が確認された場合には、納付すべき印紙税額の3倍相当額の過怠税を支払うことになります。 ただし、税務調査で指摘されることを予知して行った申出ではなく、所轄税務署長へ自主的に「印紙税不納付事実申出書」を提出した場合は、過怠税が本来の印紙税額の1.1倍に軽減されます。単に後から印紙を貼れば必ず1.1倍で済むという意味ではありません。印紙を貼るのを忘れてしまった場合
印紙を貼るのを忘れてしまった場合も、罰金の対象です。 貼付漏れに気づいた場合は、自己判断で処理せず所轄税務署へ相談してください。自主申出による1.1倍の扱いには条件があり、調査で未納が確認された場合は原則3倍相当の過怠税となります。売買契約書に貼付したが消印をしなかった場合
印紙は、貼っただけで終わりではありません。消印(割印)をすることで、初めて有効となります。 所定の方法で消印しなかった場合は、消されていない印紙の額面に相当する過怠税が徴収されます。出典:国税庁「No.7131 印紙税を納めなかったとき」(2026年7月12日確認)
ここからは収入印紙に関わるよくある疑問・質問を、1つずつ丁寧に解説していくよ!
よくある収入印紙の疑問Q&A

不動産売買に貼る印紙代金どこで買えるの?
主に印紙を購入できる場所はこちらになります。 ・法務局 ・市役所・区役所 ・郵便局 ・コンビニ(少額印紙) コンビニに関しては、店舗によって販売している種類に差があります。 また、印紙は税務署が管轄する税金ですが、税務署で印紙は販売していません。 上記以外の場所でも印紙を販売している店もありますが、確実に手に入るのは法務局と郵便局です。 不動産売買契約書に貼付する印紙は、不動産会社側が用意してくれることがあります。この場合には、不動産会社に印紙代金を支払います。収入印紙の貼り方と割印について
収入印紙を貼る場合、割印を押す必要があります。
契約書のどこに収入印紙を貼ればいいの?
法律上、印紙を貼る場所の規定はありません。契約書のいずれかの場所に貼っていれば問題ありません。 不動産売買契約書の場合には、題目の脇か契約書の余白に貼ることが多いです。不動産の売買契約書に貼る収入印紙の枚数に制限はあるの?
収入印紙は切手と同じように金額が印字されていますので、複数枚の印紙を組み合わせて貼っても問題ありません。 なお、印紙の種類は合計31券種あります。 1円から10万円まで存在し、200円から10万円の印紙(19券種)が平成30年7月に新しくなりました。電子契約なら収入印紙は必要?
印紙税の課税対象は課税物件表に掲げられた「文書」であり、電磁的記録は文書に含まれません。そのため、電子署名を付した電子契約だけで締結し、課税文書となる紙の契約書を作成しない場合、その電磁的記録には印紙税が課税されません。ただし、別途紙の変更契約書や証明文書を作る場合は、その紙文書を個別に判定します。出典:国税庁「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」(2026年7月12日確認)
紙・電子契約を含めた購入費用全体を確認するなら、中古マンション購入の諸費用と印紙税の内訳も参考になります。
紙の契約書との違いを整理するなら、不動産売買の電子契約でできることも参考になります。
契約書のコピーに収入印紙を貼る必要はあるの?
単なるコピーで、契約の成立を証明する目的の文書として使用しないものには、通常は印紙を貼りません。ただし、「写し」「副本」と表示されていても、当事者の署名・押印があり契約成立を証明する目的で作成された文書は課税対象になり得ます。国税庁の契約書の写し・副本の取扱いも確認してください。手付金には収入印紙を貼る必要があるの?
手付金そのものではなく、手付金を受領した事実を証明する紙の領収書が課税文書に該当するかを確認します。売主が営業として受け取るのか、営業に関しない個人の受領なのか、記載金額や文書の内容によって扱いが異なります。通常、手付金は売主へ支払うため、仲介会社が受領者とは限りません。電子領収書だけを交付する場合も含め、発行者が税務署へ確認してください。不動産仲介手数料には収入印紙を貼る必要があるの?
不動産仲介会社が仲介手数料を受領し、課税対象となる紙の領収書を作成する場合は、記載金額に応じた印紙税を納付します。電子領収書のみで交付する場合は電磁的記録自体に印紙税は課税されません。収入印紙は個人間の契約でも貼る必要があるの?
印紙は、個人間で行う契約書であっても貼る必要があります。 ただし口頭契約であれば、契約書は存在しないので印紙を貼る必要はありません。とはいえ、契約書が無いと後々問題になることもありますので、保険代として契約書を作成するのをおすすめします。 弊社では、売買契約書の作成のみであれば5万円(税別)にて承らせていただいております。印紙の貼っていない契約書の法的効力はあるの?
印紙が貼っていない契約書でも、契約書として有効です。 ただし、印紙漏れは税金の未払いと同じなので、必ず印紙は貼りましょう。収入印紙を誤って貼付しまった場合
印紙を間違えて貼ってしまった場合には、還付請求をすることで印紙代金が戻ってきます。 還付請求期間は、対象となる文書を作成した日から5年以内です。 還付請求手続きについては、以下の通りです。 【還付請求手続きの流れ】 1.印紙税過誤納確認申請書に必要事項を記入 2.税務署へ申請書及び還付請求の対象となる文書を提出 3.書類等に不備が無ければ指定の銀行口座へご返金 【申請する場所】 最寄りの税務署(持参もしくは郵送) 【必要書類】 ・印紙税過誤納確認申請書(税務署もしくは国税庁のウェブサイトから用紙をダウンロード) ・還付請求の対象となる現文書 ・印鑑まとめ
不動産売買契約書の印紙税額は、契約書に記載された金額、作成日、紙か電子契約かによって変わります。紙の原本を複数作成する場合は原本ごとに判定し、貼付漏れや消印忘れに気づいたときは所轄税務署へ確認してください。 イエツグでは、不動産売買の契約条件や購入・売却に必要な費用を実務目線で整理します。印紙税そのものの税務判断は税務署または税理士へ確認し、物件や契約のご相談はお気軽にお問い合わせください。
イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。
監修者 平井拓

在籍時には、2,000件以上の税金相談に対応。専門分野は、相続・贈与・不動産売買に関する税金。


























