相場より安い!「掘り出し物件」がでる理由って?

コロナ禍であっても、現在、新築マンションは首都圏で平均価格6,000万円ほどと一般的なサラリーマンには手が届かない水準で推移しており、中古物件においても、首都圏では、昨年同時期より5%ほど価格が高騰しています。

そんな中、なんとかお得に不動産を購入できないか、と考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

実は、新築物件には少ないのですが、中古物件の中には相場より安い「掘り出し物件」が出回ることがあります。でもやはり、相場より安いのには「ワケ」があるんじゃないかと思いますよね。

そこで今回は、相場より安く売られる物件が出回る理由を、こっそりお伝えしたいと思います。

この記事でわかること
  • 「掘り出し物件」が出回る理由
  • 相場より安い物件の注意点
  • 相場通りの物件も「値引き」ができる?

「掘り出し物件」が出回る理由

まず、今回で言うところの「掘り出し物件」というのは、「相場よりやや安い物件」ということで統一させていただきます。「やや安い」というのは表現が曖昧ですが、「1割前後安い」と考えていただければいいと思います。

たとえば、相場的には3,000万円なのに、2700~2800万円ほどで売り出されている物件ということですね。

では本題に入りますが、相場より安く売り出されている物件というのは、まず売主に「早く売りたい」という意向がある物件です。

たとえば、こんな物件ですね。

相続

相続資産が多い場合は高額な相続税が課せられますが、もし相続資産に現金が少なければ、不動産を売却した金額で納税しなければなりません。

相続税の納税期限は、相続開始から10ヶ月。この間に相続資産を把握して、分割して、売却までしなければならないとなると、売主側には「焦り」が出てくるのです。その結果、価格を相場よりやや下げることがあります。

離婚

離婚後には、家族で住んでいた大きな家が不要になったり、夫婦共有の不動産を処分したくなったりするため、持ち家を売ることが多いといえます。

財産分与にあたっても、不動産を売却したほうが配分しやく、早く離婚したいと考えている夫婦は相場より安く売り出すことがあります。

買い替え

住まいの買い替えに際して先に新居を購入した際にも、住宅ローンが重複する期間を少しでも短くしようと、安めに価格を設定して早く売りたいと考える人もいらっしゃいます。

資金難

今後多くなると考えられるのが、資金難による不動産の売却です。

急なリストラやボーナスカット、あるいは契約更新してもらえない……などにより、収入が減ってしまう人は、コロナ禍からアフターコロナにかけて増えるものと見られます。

(出典:厚生労働省)

2021年3月5日時点の、厚生労働省による「新型コロナウイルスに関連した雇用調整の状況調査」によれば、解雇等見込み労働者は93,000人あまり。雇用調整の可能性のある事業所数は12万5千を超えています。

資金難に際してまず困るのは、家計の大部分を占めている住まいにかかる費用の支払いです。

収入が少し減った程度では、家計のやりくりでなんとか乗り越えることもできるかもしれませんが、解雇となれば、自宅を手放すことを余儀なくされてしまう方も少なくないいでしょう。

不動産が売れるまでには、平均的に4か月~半年ほどかかりますので、少しでも早く不動産を売却し、住宅ローンの負担をなくしたいと考える方は、1割ほど価格を下げて売り出すこともめずらしくないんですね。

任意売却

そして、すでに住宅ローンを滞納させてしまった人や売却したお金で住宅ローンを返せないという方は、「任意売却」という少々イレギュラーな方法で不動産を手放します。

任意売却とは、簡単にいえば、住宅ローンを借り入れている金融機関に許可をもらって行う不動産売却です。

金融機関が「債務を回収できる最善の方法」と判断すれば任意売却は許可されますが、金融機関からすれば「売れない」ことが最も困ることです。

そのため、「一定期間に売れる金額」で売り出すことを任意売却の条件とされることが少なくないため、任意売却物件は、相場価格から1~2割ほど値を落とした価格で売り出されるケースもも珍しくはありません。

昨年からこの「任意売却」の需要が増加傾向にあります。「あれ?相場よりかなり安いな……」と思ったら、それは売主に「資金難」という状況があるからかもしれません。

相場より安い物件の注意点

相場より安く売り出されている物件は、「売主の都合によるものが多い」とお話ししましたが、実はそれだけではありません。

中には、なんらかのトラブルによって相場より安くせざるを得ない物件というものがあります。

事故物件

たとえば、いわゆる「事故物件」と言われる不動産。具体的に言えば、物件内で人の死にかかわる事件や事故が起きた物件ですね。

事件や事故によりますが、他殺が起きた物件などは相場の半値前後で売り出されるものもあります。

ただ、事故物件といっても、全部が全部、事件性があるものとは限りません。たとえば、高齢者の孤独死なども、発見が少し遅れれば事故物件に該当してしまうこともあります。

事故物件に関しては、広告に「告知事項あり」と記載されており、売主は買主に対してその事実を伝えなければならない「告知義務」があります。購入前にはどんな状況で事故物件になったのか、という事実を知ることができるはずです。

隣人トラブル

また、事件や事故が無かったとしても、たとえば、お隣や近隣がゴミ屋敷であったり、近隣トラブルが生じていたり……このような理由でも、相場より安く売り出されることもあります。

つまり、掘り出し物件を見つけた場合はむやみに飛びつくのではなく、「なぜ安いのか」を知ることが重要だといえるでしょう。

個人情報に関することについてはなかなか教えてもらえませんが、「告知事項」があればそれは売主側が伝える義務があるので、検討段階のはじめから担当者に聞いてみるといいと思います。

相場通りの物件も「値引き」ができる?

それでは最後に、不動産は値切ることができるのか?ということをお話させていただこうと思います。

結論からいえば、大幅な値引きは難しいと思います。

値切れる物件は最初から安い

買主から迫られて大幅な値引きをするのであれば、売主は、最初からもっと安い金額で売り出しているはず。私の経験則ですが、値引きが可能な金額はせいぜい物件価格の5%ほどだと思います。

3,000万円で売り出されている物件なら、150万円ほどの値引きが限度じゃないかなと思います。

もちろん、一切の値引きに応じないという売主さんもいらっしゃいます。しかし、それは、ケースバイケースであり、それこそ売主さんの意向や都合次第だといえます。

値引き交渉のコツ

値引きをする・しない、の決断をするのは、不動産会社ではなく、売主さんです。

中には、ロジカルに、近隣相場や過去の成約事例などの数字を根拠にして値引き交渉したいという方がいらっしゃいますが、私からすると、正直、投資物件以外はロジカル的な交渉は逆効果だと思っています。

逆に、売主さんの人情に訴えかけ、どうしてもその値段で購入したいという想いを伝えることが、値引き交渉を成功させるためのカギになると私は考えます。

そうなってくると実は、居住中の物件であれば、内見時からすでに値引き交渉のための準備は始まっているんですね。

物件の良さを売主さんと共感し、関係性を深める。そして、値引き交渉の際にはお手紙を書いてみるなどし、「この物件が気に入った!」「こちらの都合で申し訳ないけど、少しでも交渉に応じていただけると助かる」という気持ちを伝えることが、値引き交渉のキモになるでしょう。

また、売主さんと良好な関係のまま契約に臨めれば、その後のトラブルも起きにくいものです。

不動産は、人間同士の取引です。そして、売主さんが売りたいと思う方に売るわけですから、あまり値引きさせるための「戦略」などは考えずに、素直に意向を伝えるのが一番、というのが私の見解です。

まとめ:掘り出し物件は存在するし、一定の値引き交渉は可能!

相場より価格が安い「掘り出し物件」は、存在します。

安い理由は、売主さんに「早く売りたい」という事情があるケースが一つ。たとえば、相続税納税のため、離婚のため、資金難のため、買い替えのために、早く売ろうと、相場より1割ほど価格を落として売り出されることがあります。

とくに、これから増えると見られるのは資金難による不動産売却で、相場より安く売り出すケースです。新型コロナウイルス蔓延による不況は今後どんどん明るみに出てくると思われますので、住宅ローンを滞納させてしまった人・住宅ローンが完済できない人による「任意売却」も多くなると推察されます。

ただ、相場より安い物件のすべてが、売主さんの都合によるものだけではありません。事故物件であったり、近隣トラブルがあったり。このような理由で、相場より安くせざるを得ない物件というのも存在しています。

そのため、「これは掘り出し物件だ!」という不動産を発見したら、冷静に、「なぜ安いのか?」「特別なワケがあるのか?」を見極めることが大切です。

また、相場通りに売り出されている物件についても、値引き交渉はできます。できますが、大幅な値引きは難しく、まったく値引きに応じてもらえないこともあります。私の経験則からいえば、できたとしても5%程度にとどまると思います。

値引き交渉のコツは、素直に自分の想いや状況を伝えること。変に、「相場価格はこうで、類似物件は過去にこの金額で成約していて……」とロジカル的に伝えてしまうのは、逆効果です。売主さんも人間ですので、気持ちよく、「この人に売りたい」と思ってもらえるような交渉ができるといいですね。

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。 イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。
監修者 亀梨奈美
大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。株式会社real wave代表取締役。「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、機関紙から情報サイトまで不動産ジャンルのあらゆる文章を執筆・監修。