2020年10月の住宅ローン金利は、すべての金利タイプで大きな変化がありました。多くの金融機関が金利を引き下げた一方で、低金利で有名だった金融機関が金利を引き上げており、ますます先が読めない状況になっています。
本記事では、住宅ローン金利の変更点だけでなく、購入するタイミングの考え方についても解説しているため、ぜひご一読ください。
- 2020年10月現在の住宅ローン金利と前月からの変更点
- 住宅ローン金利は今後どうなるのか
- 住宅の買い時はいつか
【動画目次】
00:00 はじめに
01:10 ①2020年10月現在の住宅ローン金利と前月からの変更点
04:10 ②今後の住宅ローン金利はどうなる?
05:28 ③住宅購入の最適なタイミングとは?
07:12 まとめ

不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・賃貸不動産経営管理士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
目次
2020年10月最新の住宅ローン金利を比較

2020年10月現在の住宅ローン金利を、金融機関ごとにまとめました。先月よりも金利が上昇した箇所は赤文字、下降した箇所は青文字で記載しています。
全期間固定金利 | 変動金利 | 固定期間選択型(10年) | ||
三菱UFJ銀行 | 店頭 | 1.82% | 0.575~0.725% | 0.79% |
ネット | – | 0.475% | 0.69% | |
みずほ銀行 | 店頭 | 1.14% | 0.625~0.875% | 0.80~1.05% |
ネット | 1.04〜1.14% | 0.475~0.725% | 0.65~0.90% | |
三井住友銀行 | 店頭 | 1.68% | 0.575~0.775% | 1.10~1.60% |
ネット | 1.28~1.68% | 0.475~0.725% | 1.10~1.55% | |
auじぶん銀行 | – | 0.41% | 0.54〜1.46% | |
ジャパンネット銀行 | – | 0.38% | 0.545% | |
住信SBI銀行 | 1.15〜1.56% (フラット35) |
0.44% | 0.66〜1.06% | |
ARUHI | 1.10〜1.25% | – | – |
※2020年10月時点の各金融機関のHPを参照し作成
※記載の金利は各金融機関が2020年10月時点で実施している割引プランを加味した数値
※住信SBI銀行以外の固定金利はフラット35ではなく各金融期間が独自に取り扱っている商品を掲載
※ARUHIはスーパーフラット(団体信用生命保険加入)の数値を掲載
2020年10月の変更ポイントは、以下の4点です。
- メガバンクの変動金利が0.475%に揃う
- 10年固定金利はauじぶん銀行が最低値を更新
- 全期間固定金利は0.2%の引き下げ
- 住信SBI銀行が変動金利を引上げ
1.メガバンクの変動金利が3行揃って0.475%に
三菱UFJ銀行とみずほ銀行は、三井住友銀行に対抗すべく、ネット申し込みの変動金利を、0.525%から0.05%引き下げて0.475%としました。
よって変動金利は、ネット銀行だけでなくメガバンクも0.4%台となり、両者の差は縮まっています。
2.固定期間選択型(10年)はauじぶん銀行が最低値を更新
auじぶん銀行は、固定期間選択型(10年)を0.55%から0.01%引き下げて0.54%とし、最小値を更新しました。
ジャパンネット銀行は、2020年9月に固定期間選択型(10年)を0.545%に引き下げて、最小値を更新したばかり。auじぶん銀行とジャパンネット銀行は、変動金利でも最小値を競い合っているため、今後も両者の引き下げ競争から目が離せません。
また、三菱UFJ銀行やみずほ銀行、住信SBI銀行も、固定期間選択型(10年)を引き下げています。
3.全期間固定金利は0.02%の引き下げ
全期間固定金利は、一部の金融機関で前月より0.02%引き下げられました。これは全期間固定金利を決める指標である「新発10年物国債」の金利が、9月に下がったためです。
直近の全期間固定型は、毎月0.01%ずつ上昇を続けていました。それが今月0.02%引き下げられたことで、全期間固定型は7月時点の値に戻っています。
「新発10年物国債」の動きは、新型コロナウイルスの影響もあり、まったく読めません。全期間固定金利で借り入れる場合は、住宅ローンの融資が実行されるタイミング次第で、金利がわずかに上下する可能性を想定する必要があります。
4.住信SBI銀行が変動金利を引上げ
多くの金融機関が住宅ローン金利を引き下げるなか、住信SBI銀行はキャンペーンの終了により変動金利を以下のように引き上げました。
- 新規借入:0.41%→0.44%
- 借り換え:0.398%→0.428%
しかし、同じタイミングでジャパンネット銀行は、変動金利の新規借入と借り換えの両方を0.38%に引き下げてきました。結果的に住信SBI銀行は、ジャパンネット銀行に対抗することなく、変動金利を引き上げました。
住宅を購入するタイミングは金利の推移や今後の予想だけで判断しない

2020年10月の住宅ローン金利には、大きな変化があったため、「もう少し待てば金利がさらに下がるかもしれない」と考えている方もいらっしゃるでしょう。
しかし住宅を購入するタイミングは、金利の変化だけではなく、ご自身や家族の生活も踏まえて判断することが大切です。
住宅ローン金利が大幅に引き下げられる可能性は低い
住宅ローン金利が、政府の金融緩和政策が続く限り、今後大幅に引き下げられる可能性は低いでしょう。すでに低い金利をさらに引き下げると、金融機関の利息収入が減ってしまい、経営に大きな支障が出るためです。
金利の下がり幅がわずかであれば、返済負担に大きな差は出ません。
たとえば、ジャパンネット銀行の0.38%に対抗し、変動金利を0.37%に引き下げてきた金融機関が現れたとしましょう。借入額4,000万円、返済期間35年(元利均等方式)で借り入れた場合、返済額の差は毎月わずか174円。利息総額の差も73,227円しかないのです。
そのため、住宅を購入したあとに、住宅ローンの金利が引き下げられても「待てばよかった」と後悔する可能性は低いといえます。
住宅ローン控除が今後どうなるかも不透明
住宅ローン控除は、年末時点における借入残高の1%を、10〜13年にわたって所得税や住民税から控除してくれる制度です。実は住宅ローン控除が今後どうなるのかは、制度が拡充される可能性と縮小される可能性の両方が存在するため、予測が困難な状況なのです。
2020年は、消費増税と新型コロナウイルスによる不況が重なったことで、住宅市場が低迷しています。そこで、住宅ローン控除制度の拡充や、すでに終了した次世代ポイント制度に代わる施策が再び実施される可能性があります。
一方で日本経済新聞は、2020年10月2日に、住宅ローンの控除率1%を、会計検査院が問題視していると報じました。
もともと住宅ローン控除は、変動金利が2%台、固定金利が3%台であった時代に、住宅購入時の利息負担を軽減させるために始まった制度です。低金利の現在では、借り入れた場合の利息負担が低いため、控除率を引き下げるべきという意見があるのです。
このように、住宅ローン控除については、「制度を拡充させるべきだ」「制度を縮小させるべきだ」の対立した意見がある状況であるため、今後どうなるかはわかりません。
住宅を購入する際は有資格者に相談しよう
住宅を購入するときは、ご自身や家族にとって、住宅の買いどきがいつなのか考えてみてはいかがでしょうか。
住宅の購入を1年後に見送っても、今よりお得に住宅が購入できるとは限りません。もしお得に住宅を購入できたとしても、その間の生活が不便だった場合、「早く買っておけばよかった」と後悔する恐れもあります。
よって、今があなたにとって住宅を購入する最適なタイミングなのかもしれないのです。
しかし、ご自身だけで住宅購入のタイミングを判断するのは難しいでしょう。そんな方は、FPのような専門資格を持つ人に相談するのも選択肢の一つです。
FPは、あなたの資産状況や今後のライフプランを踏まえて、住宅購入に最適なタイミングを一緒に考えてくれます。
弊社イエツグには、FPや住宅ローンアドバイザーが在籍しており、住宅探しだけでなく住宅ローン選びやライフプランニングの作成もお手伝いいたします。お気軽にご相談ください。
まとめ:今が住宅を購入する最適なタイミングである可能性も
2020年10月の住宅ローン金利は、全体的に引き下げられました。しかし金利の引き下げ競争に積極的とみられていた住信SBI銀行が、変動金利を引き上げています。
住宅ローン金利は、今後も先が読めない状況が続くでしょう。そこで、低金利かつ住宅ローン控除の恩恵も受けられる今のうちに、住宅を購入するのも一つの方法です。
弊社イエツグの仲介手数料は、定額制の182,900円です。また、所定の条件を満たす物件を購入いただくと、「仲介手数料が無料+現金キャッシュバック」のキャンペーンを実施しているため、金銭的な負担を抑えて住宅を購入できます。
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大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。