既存住宅瑕疵保険とは?加入のメリットと費用について

中古住宅の劣化や、損傷部分を発見した際に保険金が下りる「既存住宅瑕疵(かし)保険」。

この保険は万が一のときのために役立つだけでなく、住宅ローン控除を受けられるかどうかにも影響しうるということはご存知でしょうか?

既存住宅瑕疵保険には加入条件があり、申し込めば必ず保険に加入できるというわけではありません。

そこで本記事では、既存住宅瑕疵保険に関する以下のお悩みをスッキリ解決いたします。

この記事でわかること

  • 既存住宅瑕疵保険とは?
  • どうやって加入するの?
  • 加入するメリットは?

既存住宅瑕疵保険に加入した方がいいのかどうかお悩みの人は、ぜひ当ページを参考にしてください。

イエツグくん
既存住宅瑕疵保険は、売主も買主もしっておくべき保険だよ!
付帯することで、買主にとっては大きな安心に、売主にとっては家が売れやすくなるというメリットがあるんだ。
執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

既存住宅瑕疵保険とは



雨漏りやシロアリ被害、腐食やキズなど…不動産に欠陥(=瑕疵)が見つかると、売主は損傷を修繕したり契約を解除したりしなければいけない責任を負います。これを瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)と言います。

瑕疵担保責任を負うときの「資力確保措置」として利用されているのが、瑕疵保険です。

瑕疵保険は個人が絶対に加入すべきものではない

既存住宅瑕疵保険には、「義務化保険」と「任意保険」があります。このうち、義務化保険は宅建業者が加入し支払うものであり、個人が加入するのは任意保険の方です。

つまり既存住宅瑕疵保険は、売主が絶対に加入しなければいけない保険ではありません。

もともと瑕疵保険は、「新築物件に限り」「宅建業者が加入」するものでした。瑕疵保険があれば、例えば宅建業者が廃業したとしても、取引後の住宅の欠陥を保険会社が保障してくれる便利なシステムなのです。

個人間売買に大きく役立つ瑕疵保険

宅建業者が売主ではない個人間取引では、瑕疵保険の加入は義務付けられていません。また、義務化保険は新築物件に加入が義務付けられていますが、中古住宅は対象外です。

しかし、個人間の取引でも、売主が瑕疵責任から逃れることはできません。また中古だからこそ、住宅の欠陥=瑕疵が出る可能性が高いといえるでしょう。

それにも関わらず、瑕疵責任を売主が負う期間を短くする、あるいは責任を免除することが中古住宅取引では一般的となっています。責任を負うべき人が責任から逃れてしまう、これでは「安全・安心の取引」とは言えませんよね。

そこで役立つのが個人でも加入できる、既存住宅瑕疵保険。任意保険であれば、個人間取引でも瑕疵保険の加入ができ、個人間取引をより安全に安心して行えるというワケです。

瑕疵に関する疑問については、下記ぺージで詳しく紹介しています。売主が具体的にどんな責任を負う必要があるの知っておきたい人は、ぜひ参考にしてください。

不動産売買の瑕疵担保責任とは?売主が負う責任についてわかりやすく解説します!

既存住宅瑕疵保険の費用と加入条件



加入できれば個人間取引においても売主・買主の大きな安心となる既存住宅瑕疵保険ですが、自動車保険や火災保険など一般の保険とはみが違います。

そこで、加入するための費用や条件について理解しておきましょう。

加入の費用はどのくらい?

住宅瑕疵担保責任保険法人は全部で5社ありますが、建物の状況や保険会社ごとに費用が異なります。瑕疵保険を提供している保険法人は、以下の通りです。

  • 株式会社住宅あんしん保障
  • 住宅保証機構株式会社
  • 株式会社日本住宅保証検査機構
  • 株式会社ハウスジーメン
  • ハウスプラス住宅保証株式会社

住宅瑕疵担保責任保険法人とは、国土交通大臣に指定された法人です。数多くの宅建業者が瑕疵保険を利用しますが、保険金を支払っているのは上記の5社のみとなります。

保険料はどのくらいかは実際に建物を検査してみないとわかりませんが、弊社イエツグ仲介の物件には、既存住宅瑕疵保険を無料で提供させていただいております。気になる人は、ぜひイエツグまでお問い合わせください。

既存住宅瑕疵保険の加入条件

既存住宅瑕疵保険に加入できるのは、以下のいずれかの条件をクリアした建物です。

  • 新耐震基準に適合していること
  • 検査に合格していること
  • 耐震基準適合証明書があること
  • その他耐震基準の適合がわかる書類があること

築年数がどのくらい経過していても耐震基準を満たしていること、そして住宅検査を合格していれば既存住宅瑕疵保険に加入できます。

つまり、一定の強度を保っている建物が既存住宅瑕疵保険に加入できるというワケです。

瑕疵保険が対象となるのは「建物の基盤部分」

既存住宅瑕疵保険の保険金の支払い対象となるのは、建物の基盤である「構造耐力上主要な部分」または「雨水の浸入を防止する部分」のみです。

構造耐力上主要な部分 基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床板、屋根版、横架材
雨水の浸入を防止する部分 屋根、外壁の仕上げ、下地、開口部に設ける戸、サッシ、屋根にある排水管

このように、建物を形どっている重要な部分のみが保険金の対象となります。つまりエアコンや太陽光のような設備品は対象外となりますので、ご注意ください。

イエツグくん
加入も任意だし…既存住宅瑕疵保険を付帯するメリットってなんだろう?

既存住宅瑕疵保険に加入するメリット!売主・買主どちらもいいことだらけ!



既存住宅瑕疵保険は、万が一のときの保障というだけではありません。瑕疵保険に加入することで、売主・買主ともに大きなメリットをもたらします。

売主側のメリット 買主側のメリット
  1. 買い手がつきやすい
  2. 自己負担額が軽減される
  3. 競合物件との差別化に効果的
  1. 安心して生活できる
  2. きちんと補修金が支払われる
  3. 税制優遇措置が受けられる

まず売主側のメリットですが、瑕疵保険に加入しているということで「万が一のときに保障可能な建物」というアピールができます。これにより買主に「安心できる建物」という印象を与えられ、結果として買手がつきやすく競合物件との差別化にもつながるのです。

また、買主側のメリットとしては安心を買えるだけでなく、税金面で様々な優遇措置を受けることが可能です。

既存住宅瑕疵保険の最大のメリットともいえるのは、税金優遇措置。適用となれば、かなりの経費削減となります。このお得な優遇措置を見逃すのは、とてももったいないこと!

そこで、これらの税金優遇措置について、次項目で詳しく解説していきます。

既存住宅瑕疵保険加入が税金対策に!住宅ローン控除や登録免許税減税について



既存住宅瑕疵保険に加入していることで受けられる税金優遇措置には、以下のようなものがあります。

  • 住所ローン減税
  • 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例
  • 贈与税の非課税措置等
  • 登録免許税の軽減措置
  • 不動産取得税の減額措置

このようにたくさんの税金優遇措置を受けられることから、既存住宅瑕疵保険に加入している物件を優先的に探す買主も多いのです。

上記の控除制度の中でも、適用となればかなりお得になる特例をピックアップして紹介していきます。

住所ローン減税

毎年住所ローンの残高に応じて還付金が受けられる住所ローン控除。住宅ローン減税、または住宅借入金等特別控除とも呼びます。

住宅ローン控除は、最大で10年間控除され続ける、とても有難い制度です。ちなみに消費税増税の影響をうけた人は、控除期間が3年延長となります。

控除額は住宅ローン残高の1%で、限度額は年間40万円です。認定長期優良住宅という省エネ性能が高い建物に限っては、控除額が年間で最大50万円となっています。

以下のページでは、住所ローン控除についてより詳しく解説しています。住宅ローン控除を受けるための条件や手続きに関して詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

住み替えで節税!住宅ローン控除の適用要件と5つの控除特例

登録免許税が減税できる

不動産を登記した時に支払う登録免許税。

不動産価格によっては数十万円の支払いが必要になることもあります。しかし、登録免許税の軽減措置が適用となれば、この数十万円が大きく減税される可能性もあります。

減税するための条件のひとつに、既存住宅売買瑕疵保険証や耐震基準適合証明書が必要なのです。不動産購入時にかかる費用をできるだけ軽減させたいときは、この登録免許税の軽減措置を十分に活用しましょう!

以下のページでは、登録免許税の軽減措置についてより詳しく解説しています。軽減措置の適用要件や手続きに関して詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

登録免許税の軽減税率が延長!売買時の適用要件について解説

すまい給付金の注意点

個人が売主である物件を購入した場合には、既存住宅瑕疵保険に加入していてもすまい給付金の対象とはなりません。

すまい給付金とは、2014年4月から2021年12月まで実施されている制度で、消費税を緩和するために用意された給付制度です。年収にもよりますが、適用となれば10~30万円の給付が受けられます。

しかし、個人が売主の場合はそもそも消費税の対象外となるため、すまい給付金も受け取ることができません。既存住宅瑕疵保険に加入している物件はすまい給付金が支給されると思っている方もいらっしゃいますが、課税事業者が売主の物件のみとなりますのでご注意ください。

まとめ:イエツグ仲介の物件は既存住宅瑕疵保険が5年間付帯しています

既存住宅瑕疵保険は、売主・買主ともに大きなメリットがある保険です。住宅の価値をあげ、相手に安心と安全を提供することができるため、これから不動産取引をお考えの人には、ぜひ加入を検討してみてください。

イエツグでは、弊社仲介による売却物件に既存住宅瑕疵保険を無料で5年間付帯させていただいております。また、瑕疵保険加入に必要な住宅診断(ホームインスペクション)も無料で実施。弊社には既存住宅アドバイザーの有資格者も在籍しているため、既存住宅瑕疵保険に加入をご希望のお客様は、加入費用や条件について詳しくアドバイスさせていただけます。まずは、弊社スタッフまでお気軽にご相談ください。

監修者 亀梨奈美
監修者 亀梨奈美大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
機関紙から情報サイトまで不動産ジャンルのあらゆる文章を執筆・監修。

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