【2026年更新】この記事の初回公開後に制度が変わりました。不動産売買のIT重説は、2021年3月30日から社会実験ではなく本格運用されています。また、重要事項説明書や契約締結時書面などは、2022年5月18日から一定の条件で電子交付できるようになりました。
目次
【2026年更新】売買のIT重説は社会実験ではなく本格運用されています
先に結論です。現在は、売買でもIT重説を利用できます。この記事では初回公開時に「売買は社会実験中」と説明していましたが、その後制度が変わりました。国土交通省は売買取引のIT重説を2021年3月30日から本格運用し、対面による重要事項説明と同様に扱っています。
ただし、「オンラインで説明できる」と「売買手続きが最初から最後まで全部オンラインで終わる」は別の話です。宅建士証の提示、映像と音声による双方向通信、説明前の書類確認など、適正に説明を受けられる環境が必要です。通信が不安定で説明を十分に受けられない場合は、無理に続けず中断や対面への切り替えを相談しましょう。
IT重説対応物件は、物件情報のアイコンだけでは決まりません
「IT重説対応物件」という表示は探すときの目安になりますが、実務では物件だけで決まるわけではありません。売主、買主、仲介会社の運用、必要書類、本人確認、通信環境、日程がそろって初めて実施できます。表示がない物件でも対応できる場合があるため、候補から外す前に仲介会社へ確認するのが現実的です。
探し方を詳しく知りたい方は、IT重説対応物件の見分け方も確認してください。
IT重説と書面の電子交付は別々に確認する
| 確認項目 | 現在の扱い | 実務上の注意 |
|---|---|---|
| 重要事項説明 | 一定の要件を満たせばオンラインで実施可能 | 映像・音声、宅建士証の確認、事前の資料準備が必要です。 |
| 重要事項説明書などの交付 | 相手方の承諾を得たうえで電子交付が可能 | 提供方法やファイル形式を事前に示し、保存・印刷できる状態を確認します。 |
| 対面・紙での対応 | 引き続き選択可能 | 電子操作に不安がある場合は、無理にオンラインを選ぶ必要はありません。 |
IT重説のほか、売買契約や書面交付をどこまでオンライン化できるかは、不動産売買のIT重説・電子契約でできることで整理しています。
IT重説を希望するときの確認チェックリスト
- 売買を担当する仲介会社がIT重説に対応しているか
- 重要事項説明書をいつ、どの方法で受け取るか
- パソコンやタブレットで映像と音声を相互に確認できるか
- 途中で通信が切れた場合の連絡方法と再開方法
- 電子書面で受け取る場合、端末へ保存して必要に応じて印刷できるか
- 録画を希望する場合、事前に宅建業者の了承を得ているか
実務メモ:IT重説を希望するなら、内見後ではなく物件紹介を受ける段階で伝えておくと話が早いです。契約直前に全員が「それ、うちの運用では無理です」と気づくと、オンラインなのに日程だけが遠回りします。
実施当日の流れは、IT重説の具体的な進め方も参考にしてください。イエツグでは、遠方からの購入や多忙な方の取引について、オンラインで進められる範囲と対面確認が必要な範囲を物件紹介前に整理します。
制度確認日:2026年7月11日。出典:国土交通省「ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について」「不動産の売買取引に係るIT重説の本格運用について」「不動産取引に関するお知らせ」
現行制度の確認先:IT重説・書面の電子化、不動産取引に関するお知らせ、IT重説の手引き、書面の電子化の手引き。
- IT重説とは何?
- IT重説の利用方法
- IT重説のメリット
- IT重説のデメリット

IT重説とはテレビ会議などを使ったオンラインの重要事項説明

インターネットを通じて遠隔地でも重要事項説明ができる
IT重説はインターネットのテレビ通話を通じ、宅建士と契約者が画面越しで行う重要事項説明を指しています。 重要事項説明は、一般的には宅建士と契約者が顔を合わせて実施します。そのため地方在住者が都内の物件を購入するような場合、契約者が重要事項説明のために上京するという手間が必要です。 IT重説はインターネットを通じた通話で重要事項説明を行います。遠隔地間でも重要事項説明の手続きを行えることから、新型コロナウイルス感染防止にも有効と注目されています。売買のIT重説は2021年3月30日から本格運用
賃貸取引は2017年10月、売買取引は2021年3月30日からIT重説が本格運用されています。現在は、社会実験の登録事業者だけに限定された仕組みではありません。
IT重説対応物件の探し方

売買契約でもIT重説は本格運用されています。ただし、実施できるかは仲介会社の運用、売主・買主の意向、必要書類、通信環境などを事前に確認する必要があります。
IT重説を利用した不動産売買は、いくつかの条件を満たすことで利用が可能です。仲介会社へIT重説の対応可否を確認する
現在は社会実験の登録事業者を探す必要はありません。ただし、すべての会社が同じシステムや手順で対応しているわけではないため、物件を問い合わせる段階でIT重説を希望すると伝えましょう。
あわせて、重要事項説明書を紙と電子のどちらで受け取るか、利用するテレビ会議システム、本人確認方法、通信が切れた場合の対応も確認しておくと安心です。
対応物件を探す
IT重説の実施可否は、売主・買主・仲介会社の意向や運用、通信環境などを確認して決まります。
IT重説が利用できる物件の広告には以下のアイコンが表示されています。また物件によっては「ITを利用した重要事項説明対応物件」という文言が記載されるので、アイコンと文言を目印に対応物件を探しましょう。
アイコン表示なしでも対応可能物件あり
IT重説利用可能物件にはアイコンが表示されますが、このアイコンには表示義務がありません。IT重説に対応できる場合でも、広告に必ずアイコンや文言が表示されるとは限りません。興味のある物件に表示がなくても、担当する仲介会社へ確認してみるとよいでしょう。
IT重説のやり方とは?国土交通省のガイドラインに沿って解説!

必要な機材・通信環境を揃える
IT重説にはインターネット環境と、テレビ通話を行うための機材が必要です。これらの準備は契約者が自分で行う必要があります。 機材はカメラ付きのパソコン、もしくはスマートフォンを用意しましょう。あまり古いパソコンやスマートフォンでは性能が足りない、通話用のアプリが対応していないといった理由でIT重説を行えない場合があります。 またIT重説は2~3時間連続してテレビ通話を行うため、速度が速く安定した通信環境も必要です。 一定以上の性能の機材、安定した通信環境の用意が難しいようなら、ネットカフェの防音個室の利用も検討するとよいでしょう。通話用のアプリを用意する
IT重説は、パソコンもしくはスマートフォンの通話アプリを利用して行います。 多くの場合、使用するアプリは不動産会社から指定されますが、契約者が希望するアプリに対応してくれる場合もありますので、事前に相談しておくとよいでしょう。 多くの場合、以下のようなアプリが利用されます。- Zoom
- LINE
- Skype
- GoogleMeet
書類の確認
IT重説は契約者の手元に重要事項説明書および契約書の原本が必要です。これらの書類は事前に不動産会社から送付されます。 重要事項説明は専門用語が多く使われます。そのため不動産関連の契約になれていない人は、一度説明を聞いただけでは理解しきれないことも少なくありません。 書類を受け取った後は、当日までに一度目を通しておくようオススメします。そして不明点は事前に確認しておくか、当日質問できるように準備しておくのが望ましいでしょう。説明を受ける
IT重説の時間になったら、指定のアプリを開いて説明を受けます。重要事項説明は順調に進んでも2~3時間程度かかりますので、時間にゆとりのある日程を選んでおきましょう。 IT重説はインターネットのテレビ通話を利用するため、以下の条件を満たせない場合には重要事項説明を行ったとは見なされません。- 通信状態が良好であり、宅建士および契約者がお互いに顔・声を認識できる
- 宅地建物取引士証の提示があり、証明書の文字を契約者側から読み取れる
書面の受け取り方法と契約手続きを確認する
重要事項説明書などは、相手方の承諾など一定の条件を満たせば電子交付が可能です。紙で受け取る場合は郵送、電子書面で受け取る場合はメールやダウンロードなど、事前に案内された方法で内容を確認します。
売買契約を電子契約にするか、紙の契約書へ署名・押印するかは取引ごとの運用によります。IT重説を利用しても契約方法まで自動的に電子化されるわけではないため、仲介会社へ確認してください。
IT重説のメリットは売買契約時に直接対面しなくていいこと

メリット1.長時間、直接対面しなくて良い
項説明は宅地建物取引業法により定められた、不動産取引時に必須の手続きです。賃貸では1時間前後、売買では2~3時間もの間、直接対面する宅建士から不動産に関する説明を受ける必要があります。 重要事項説明の会場は不動産会社で行われる場合が多く、会社によっては狭く密閉された空間で行われることも。そのため新型コルナウイルス感染防止の観点から、あまり歓迎できる環境ではないと考えられます。 IT重説はインターネットを通じたテレビ電話で行えるため、宅建士と直接対面する必要がありません。狭く密閉された空間での同席がいらない点は、コロナ禍中においては歓迎できるでしょう。メリット2.地域を問わない
IT重説はテレビ通話を行うための環境を整えられれば、全国どこでも重要事項説明を受けられます。 仮に関西在住の契約希望者が都内の物件を購入する場合でも、重要事項説明のために東京まで出てくる必要がなくなります。 どの地域の物件を購入する場合でもインターネット上で説明が完結しますので、契約のための手間は大きく削減されるでしょう。メリット3.長距離の移動が不要
従来の重要事項説明は、仲介する不動産会社で行われるのが一般的です。そのため購入者の住所と不動産会社の所在地が離れている場合、長距離の移動が必要とされていました。 IT重説なら長距離移動をせずとも、現住所の近くで重要事項説明を受けることが可能。ケガや高齢などにより不動産会社の訪問が難しい場合でも、契約者本人が説明を受けられるのは大きなメリットです。 また、電車移動に伴う新型コロナウイルス感染リスクを避けられる点も、現代においては重視したいポイントでしょう。IT重説のデメリットは適切な準備・実施が必要なこと

デメリット1.高品質の機材・通信環境が必要
IT重説は約2~3時間、インターネットを通じた重要事項説明を聞き続けられる環境が必要です。ある程度品質が高いパソコンやスマホなどの機材、安定した通信環境を整えなければなりません。 普段使っている機器や回線がIT重説に適していないようなら、前もって機器やWi-Fiをレンタルするなどの準備をしておきましょう。デメリット2.周囲が無人の環境が必要
IT重説は、テレビ通話で宅建士と会話をする必要があります。宅建士からの会話はヘッドホンなどで周囲に聞こえないように対策できますが、自分が話す声は防げないため、周囲環境に気を配らなければなりません。 説明を受ける時間に自宅を使えないようなら、カラオケルームやネットカフェの防音ルーム、レンタルスペースなど周囲に人がおらず、会話内容が誰にも聞かれない場所を借りるとよいでしょう。デメリット3.電子交付や電子契約の準備が別に必要
IT重説は重要事項説明をオンラインで行う仕組みです。重要事項説明書などを電子交付するには相手方の承諾やデータ保存環境の確認が必要で、売買契約を電子化する場合も別途サービスや本人確認の準備が必要です。
関係者の誰かが紙での手続きを希望する場合や、金融機関・司法書士などの運用が電子化に対応していない場合は、IT重説を利用しても一部に郵送や対面手続きが残ることがあります。
デメリット4.契約手続きにタイムラグが生まれる
対面で手続きを行う場合には、書類に署名押印したその場で契約者が手付金を支払います。 IT重説では契約者の署名押印から不動産会社が確認するまで、書類を移動させるだけ時間がかかります。手付金の支払いは不動産会社の確認後になるため、従来の対面手続きにはなかった待ち時間が生まれるようになりました。 手付金は解約時の損害賠償や違約金になるお金です。IT重説では契約者が自分から支払い手続きを行わなければならないため、支払遅延といったトラブルにつながるリスクが生まれやすいといえるでしょう。まとめ:IT重説を活用した不動産売買はイエツグまで
IT重説は、遠方からの購入や日程調整の負担を減らせる選択肢として本格運用されています。一方、現地確認まで不要になるわけではなく、通信環境や書類の受け取り方法も含めた準備が欠かせません。
イエツグは売買IT重説の社会実験段階から実務に取り組んできました。その経験を踏まえ、オンラインで進めやすい部分と、対面・現地確認を残した方が安全な部分を取引ごとに整理します。
IT重説を使った購入を希望する方は、候補物件を探す前の段階からイエツグへご相談ください。
































